梅雨時にはどことなく体調がすぐれない、気分的にも沈みがちになりますね。
なかには「頭痛が酷くて仕事にならないワ!」と薬が手放せない人も。
いったいこの頭痛は梅雨だから?それとも雨のせい?
原因を調べ、憂鬱な頭痛を「薬じゃない何か」で少しでも軽くできないものか試してみました。
そして「アロマ」でリラックッスするのも有効と、嬉しい情報もご紹介しますね。
【もくじ】
梅雨に頭痛になる原因は何?
頭痛を分類すると緊張型頭痛、片頭痛、緊張型頭痛・偏頭痛混合タイプ、群発頭痛の4種のタイプに分かれます。
このうち梅雨時に痛くなる頭痛は「片頭痛」です。
片頭痛は20~40代の女性に特に多くみられるそうです。
【その頭痛は「片頭痛」?原因とメカニズム】
一説では、頭蓋骨内の血管が広がり炎症を起こして片頭痛となるといわれています。
ストレスや疲労の他、女性に多いことから女性ホルモンが何らかの形で関わっているとも見られています。
そのメカニズムはストレス・疲労などから頭の中の血管が広がって炎症を起こし頭痛が起こるとか。
片頭痛の特徴的な痛み方は「ズキン・ズキン」と強く痛むものです。
症状として頭痛が起きる前にキラキラした光る形が見える事もありますが、人によっては見えるだけで頭痛として痛みは感じない片頭痛も経験されています。
これは季節性の片頭痛ではなく一時的な強いストレスと疲労で起きたものでした。
【気圧の変化で起こる頭痛って?】
気圧の変化に体が順応せず体調不良が起きることを多くの方が経験していることでしょう。
中でも、天候によって頭痛が起きる、或いは古傷が疼くなど「気のせいでしょ?」と片づけられていた症状を「気象症」や「天気痛」といい、日本人の3人に1人が経験しているそうです。
症状が悪化しやすいのは春先、梅雨、夏の夕立、台風など気圧が変化する時が多く、男性より自律神経が乱れやすい女性の方が多いそうです。
気圧の変化を人間はどのようにキャッチしているのか不思議ですね。
人間の「内耳」には気圧の変化を感知し脳に信号を送る気圧センサー細胞が有ります。
体のバランスをとる働きを担当する内耳にはリンパ液がたまっていて、体が傾いたときなどに流れが生じ、脳がこれを感知してバランスをとります。
気圧が変化すると内耳にある気圧センサーが興奮し始め、リンパ液は体が傾いていないのに流れを生じてしまいます。
そのため実際に体は傾いていないのに、気圧変化でリンパ液が流れ傾いているというニセ情報のため「食い違い」が起きて脳は混乱。
これがストレスとなり古傷がある場所の「痛み神経」につながっている「交感神経」を興奮させてしまうため、治っていた古傷が再び痛み出したりするのです。
天気痛の人の内耳にある気圧センサーに刺激を与えると普通の人と比べ3分の1程度の刺激でセンサーが反応し、不快感は3倍も持続するそうです。
普通の人では感応しない気圧の変化でも、天気痛の人には大きなストレスになり交感神経や痛み神経を興奮させてしまうということなのです。
気圧の低下が酸素濃度に影響、そして頭痛を起こすのか?
【低気圧になると酸素濃度が低くなる!】
高気圧では上空から下降気流が生じ、大気中の空気濃度は上昇します。
低気圧では上昇気流が雲を形成し大気中の酸素は薄くなります。
気圧の低下が10hPa(ヘクトパスカル)で1%ほど酸素が薄くなり低気圧が続くと体が酸素不足傾向になることもあります。
とはいえ「息が苦しい」と感じるほどの酸素不足になるわけではありません。
それまで頭痛経験の無い人が低気圧が原因で頭痛を発症してしまう程に酸素濃度が低くもありません。
もともと「頭痛の素因」を持っていて、そこに酸素濃度の薄さが加わって頭痛が起きると言われています。
【酸素不足と頭痛の間には「副交感神経」が関係】
人間の体内では交感神経と副交感神経の二つの自律神経がバランスをとって働いてくれています。
「副交感神経」の働きが酸素不足に影響を受けていると分かってきました。
低気圧となり酸素が少なくなると「副交感神経優位」になるのです。
呼吸数や脈拍を増やして対応するのではなく、反対に少なくすることで対処する「副交感神経優位」の状態に、自然と体内で調整されているのです。
酸素濃度が薄くなってくると脳は少しでもエネルギーを貯めこもうと体をあまり動かさないようにします。
雨の日は眠くなる、というのは酸素不足からくる副交感神経の刺激と関連していたのです。
高気圧となると酸素が濃くなり生物は積極的に生存のための行動を開始する「交感神経優位」状態となります。
【更に分かったこと!その先にもプロセスが!】
更にプロセスがもう一段階有るという、複雑なメカニズムのものでした。
※参考文献「自律神経と免疫の法則」(気圧と疾患研究、安保徹著)より
・低気圧では「リンパ球」が主体の炎症、カタル性の炎症が多い。
・高気圧では、「顆粒球」が主体となる炎症で壊疽性のものが多くなる。
研究調査では低気圧が近づき天気が悪くなると、2~3日後にはリンパ球が増加し、逆に高気圧になり天気が良くなると顆粒球が増加という結果が出たとのことです。
【自律神経のバランスが保たれていると「顆粒球」と「リンパ球」のバランスも保たれます。】
気圧の変動などで自律神経のバランスが崩れると、「顆粒球」「リンパ球」のバランスも崩れます。
・「リンパ球」は低気圧以外でも排気ガスの吸入、肥満、運動不足などで増加します。
・「顆粒球」の大部分は「好中球」で細菌を貪食し生体を外敵から防ぐ働きをし、その際、活性酸素や酵素を放出します。
過剰に産生された「顆粒球」は活性酸素や酵素を放出し粘膜の炎症を引き起こし、また気圧以外で過労や精神的ストレスでも増加します。
血液中の白血球の約半数が顆粒球といわれるものです。
梅雨での頭痛 おすすめの対処法
気圧の変化による頭痛を緩和するには、片頭痛に対する対処法を実践することが効果的です。
血管が収縮・拡張することによって周囲にある神経を刺激し、それが痛みとなって表れます。
痛みを感じたら、次のことを試してみましょう。
また、日常生活の習慣を整えることも基本的な対応策となります。
忙しい方はなかなか難しいかもしれませんが、できる事から実行してみてくださいね。
・痛みの部分を冷やす。
・大きな音や強い光などの過度の刺激物を避ける。
・質の高い睡眠を取り、生活リズムを整える。
・ストレスをためないように。
・バランスのとれた食事をいただく。
【頭痛が起きている時は入浴や運動、マッサージは止めましょう。】
血管を広げてしまうので、入浴、運動、マッサージは避けましょう。
痛む部分を冷やし、静かな部屋で休むことがおすすめです。
できれば横になりましょう。
・こめかみを指で押さえて血流を阻害する。・こめかみを冷やす。
【病院ではこんな治療も・・・】
自律神経に最適な気圧に自動調整できる気圧コントロール機器での治療が行われているそうです。
自宅用も販売されていますのでご紹介しましょう。
「グランスリープ」という機器で痛みの緩和が可能だそうです。
これは大学病院での治療でも使用されている、高気圧状態を作り出す「微高気圧カプセル」というものです。
このカプセルに30分入ることで2~3日間は天気痛による痛みを緩和できるそうです。
詳しくは公式サイトを参照してくださいね。
梅雨での頭痛 アロマでリラックスしてみよう
アロマテラピーは、植物から有効成分を抽出した天然100%の精油(エッセンシャルオイル)を使って行う芳香療法です。
体や心の状態に応じて精油を選び、心身の健康を維持することができるとされています。
精油の成分をアロマテラピーによって体内に吸収させ、症状のつらさを和らげる効果を期待して行うもので、頭痛をなおす効果は残念ながらありません。
けれどリラックス効果は有りますので、頭痛の感じ方が楽になるかもしれませんね。
頭痛・肩こりに効くとされているアロマのご紹介です。
- ローマンカモミール
鎮痛作用があり頭痛や肩こりだけでなく、生理痛や神経痛にも効果があると言われています。
ラベンダーとブレンドしたものは、お休み前に使用すると体も心も同時にリラックス効果を得ることができます。
- ローズマリー
ハーブの代表ともいえるローズマリーは鎮静効果やリラックス効果、血行促進など幅広い効果が期待できます。
片頭痛ではアロママッサージは避ける方が良いのですが、筋肉をほぐす効果も有り、マッサージには最適です。
- フィーバーフュー
フィーバーフューは夏白菊(ナツシロギク)という和名のキク科植物です。
味は強烈な苦味があり、そのまま食べると潰瘍性口内炎になる恐れが有り注意が必要です。
フィーバーフューに含まれる「パルテノライド」は有効な成分です。
片頭痛の原因になる血小板の過剰な凝結とセロトニンの放出を抑え、血行を良くする働きがあります。
- ラベンダー
その香に癒されるだけでなく、酢酸リナリルなどの主成分が鎮痛作用や抗炎症作用をもたらします。
ラベンダーは偏頭痛の薬と同等、またはそれ以上の効果が得られることが分かっています。
緊張やストレスを和らげ、眠りを促す作用があるといわれます。
万能精油とよばれ、初めて精油を使う人におすすめ。
- ペパーミント
メンソールの爽やかな香りが特徴で、鎮痛や消炎などの作用があります。
患部に清涼感を与え、痛みの軽減を助けます。
- マテ
葉を採取し乾燥したものは「グリーン」、乾燥後、焙煎したものを「ブラック」と区分します。
マテの葉を小さく刻み1カップに、マテ小さじ1杯を入れ熱湯を注いで飲みます。
緊張、頭痛、片頭痛、神経痛、軽い鬱、リウマチ性の痛み、集中力低下、肉体疲労、貧血、食欲を抑えて知的活力を増強します。
- ベルガモット
フルーティで甘い香りは不安やうつ状態、ストレス症状に効果があるといわれています。
活気を与え、気分を高揚させる働きがあり、万人に受け入れられやすい香りで有名。
- ベンゾイン
バニラのような甘い香りで緊張をほぐし、心を穏やかにしてくれます。
- カモミールローマン
青リンゴのような甘酸っぱい香りで女性と子供の精油と呼ばれ、心を落ち着かせるといわれています。
鎮痛効果が有るとされています。
- レモン
さっぱりとした香りで頭をスッキリさせ、気を引き締めたいときにおすすめ。
レモンにはリモネンという成分が含まれており、消化を促し食欲を高める働きがあるといわれています。
- オレンジ
フレッシュな爽やかな香りでリラックス効果が高いとされています。
- グレープフルーツ
爽やかな香りが中枢神経のバランスを整えてくれ、リラックス効果も高いとされています。
それぞれの精油に色々な効果が期待されていることがわかりましたね。
ハーブの場合は、1種類または数種類をブレンドしてハーブティとして一日に2~3杯を目安に飲むと良いでしょう。
それでは次に精油の場合、頭痛緩和のために成分を効率よく体内に取り入れるためにどのような方法があるのかご紹介します。
【精油の楽しみ方】
- 芳香浴
ディフューザーやアロマポットを使用したり、またティッシュに精油を落とし、ゆっくり深呼吸しながら香りを嗅ぎます。
空気中に精油の香りを拡散させて、鼻から吸いこみます。
- 塗布
ホホバオイル10mlに精油2滴を加えて混ぜたものを、こめかみや痛む箇所に塗布します。
原液のままでは刺激が強すぎてしまいます。
肌に使う際はキャリアオイル(植物オイル)や水で、必ず希釈してから使用します。
- 冷湿布
炎症や熱を持ったりしている症状の時は「冷湿布」にします。
水を洗面器に入れて精油を1~2滴落とし、よくかき混ぜます。
すぐにタオルをそこにつけて絞り、温度を上げないようにタオルの上に保冷剤をのせます。
その上にラップをのせ、さらに別のタオルをのせて冷温を保ちます。
※アロマテラピーで使用される器具の説明
ディフューザー:精油を原液のまま使用し、火を使いません。
オイルウォーマー:キャンドルの熱で精油を温め蒸気と一緒に香りを広げます。
アロマライト:電球の熱で精油を温めて使います。
ハンカチ・コットン:精油1~2滴を落として鼻に近づけて吸入しますが原液を直接肌につけないようにします。
※使用上の注意
- 飲まない
刺激が強すぎるため、飲んではいけません。
たとえ水などで希釈したとしても飲まないでください。
- 肌につける前にパッチテスト
敏感肌の方は特に、オイルなどで希釈したアロマオイルが肌に合うか刺激がないか、使用前にパッチテストを行いましょう。
腕の内側に少量のオイルをつけ24時間程放置し「肌が赤くなる」「かゆくなる」などの異常がでないか確認しましょう。
もし異常が出たら、その精油やオイルの使用をやめてください。
- 効能と危険性を知る
植物性だからといって、全ての人に安全でやさしいわけではありません。
敏感肌など、疾患、体調、肌質によって精油の使用は注意が必要です。
- 精油の保管は冷暗所で
精油は、光、熱、、湿気、空気の影響を受けやすく、成分が変化してしまいます。
これらの影響がない場所でキャップをしっかりと閉め、ペットや子どもの手の届かない所で保管してください。
まとめ
天気痛は「酔い止め薬」を飲むことで症状が緩和できるので、これ迄「痛み止め薬」を服用していた方は試してみるのも良いかもしれませんね。
乗り物酔いと天気痛のメカニズムが近いので内耳に作用する成分が含まれている酔い止め薬は効果が期待できるそうです。
酔い止め薬購入の際には薬剤師に内耳に作用するタイプか確認の上、ご購入ください。
酔い止め薬で効果を得るには飲み方にコツがあります。
症状が出てからでは遅く、痛くなる前に飲むことが肝心なので予兆を感じたら服用します。
天気痛の予兆には「耳が詰まった感じ」「眠気、頭がボーッとする感じ」「首や肩が重い」など人によっていろいろです。
根治することはむずかしいようですが、気長に付き合って柔軟に対応して切り抜けましょうね。