個人事業主にとって、初めての確定申告で、「青色申告」を選択する方に向けて、知っておきたいアレコレをまとめました。
初めに必要な届け出から、それぞれの申請書類が異なりますので、まず、1章をしっかり理解しましょう。
その他、帳簿と必要書類に関してもご紹介しますので、ぜひ、チャレンジしてくださいね。
【もくじ】
確定申告の青色申告 個人事業主の場合のやり方
個人事業主の方が、青色申告をしたい場合、事前に税務署への届け出が必要になります。
ここで、個人事業主として開業後、何も届け出をしないでいると、「白色申告」の扱いになってしまい、控除額はゼロで、節税効果が減少します。
青色申告には3種類の記帳の違いによる申告方法が有ります。
どの記帳法をとるかによって税務署への事前の届け出書類が異なるので、どれにするかを決めてから申請書を入手します。
それぞれの違いを表にまとめました。
【種類別申告前の税務署への届け出書類】
★青色申告の「複式簿記」又は「簡易簿記」を選択の場合は「青色申告承認申請書」を提出します。
・国税庁説明サイト:
・青色申告承認申請書
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/h28/10.pdf
★青色申告の「現金式簡易簿記」の方法による場合は「所得税の青色申告承認申請書、現金主義の所得計算による旨の届出書」を提出します。
・国税庁説明サイト:
・所得税の青色申告承認申請書、現金主義の所得計算による旨の届出書
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/h28/11.pdf
★提出期限が有ります!
・この申請書は、最初に青色申告をしようとする年の3月15日までに提出してください。
・あるいは、本年の1月16日以後、新たに事業を開始した場合には、その事業開始の日から2か月以内に提出します。
・提出が1日でも遅れてしまうと、青色申告が可能になるのは1年先に延びてしまうので注意してくださいね。
確定申告 青色申告の帳簿は何が必要?
3種類の簿記方式別の必要帳簿は次の様なものです。
1.複式簿記
★複式簿記にも2種類あります!
青色申告者が、とるべき記帳方法は「正規の簿記」と規定されていて、一般的には複式簿記をいいます。
けれど複式簿記ではなくても、簡易帳簿を利用した簿記方式も「正規の簿記」として認められています。
分かりにくいかもしれませんね。
つまり、控除額65万円を得られる「複式簿記」による青色申告の簿記には、2通りの方法が有るのです。
【複式簿記によるもの】
損益計算書と貸借対照表が導き出せる組織的な簿記の方式。
【簡易帳簿を利用した正規の簿記方法】
貸借対照表と損益計算書を作成できる程度の組織的な簿記。
日々の継続的な記録、及び棚卸資産の棚卸しや、その他の決算整理を行うことにより「正規の簿記」に該当すると認められます。
簡易帳簿では記帳されない、預金・手形・元入金・その他の債権債務について、新たに「債権債務等記入帳」等を備付けて、全ての取引を整然と記録しておきます。
★複式簿記の備え付け帳簿名
・主要簿
総勘定元帳:複式簿記のすべての取引を勘定科目別にまとめた帳簿
仕訳帳:複式簿記のすべての取引を日付順に記録した帳簿
・補助簿
現金出納、預金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など。
事業内容や取引方法によって、使用する補助簿は異なります。
例えば、売掛金や買掛金が発生することがなければ 売掛帳や買掛帳を作成する必要はありません。
2.簡易簿記
事業内容によって異なりますが、原則として以下の5つの標準簡易帳簿が必要となります。
現金出納帳
売掛帳
買掛帳
経費帳
固定資産台帳
3.現金主義簡易簿記
現金出納帳のみ。(ただし、現金以外の取引が発生する場合は関連する帳簿も必要)
確定申告 青色申告で必要書類な書類はコレ!
確定申告で提出する書類は「損益計算書」と「貸借対照表」です。
「総勘定元帳」や「仕訳帳」などの帳簿は、これらの根拠として保管しておきます。
これらの帳簿や書類などは、原則として7年間保存することとされていますが、書類によっては5年間でよいものもあります。
その他、領収書・請求書・銀行振込の控えなども保管しておきます。
青色申告の確定申告で提出する必要書類を、簿記方式別にまとめました。
1.複式簿記
★所得税青色申告決算書(一般用)
1ページ目:損益計算書(売上原価や経費の内訳を記入。)
2ページ目:損益計算書の明細書(月別の売上・仕入金額、また従業員や専従者=家族の従業員の給料賃金などを記入。)
3ページ目:損益計算書の明細書(減価償却費や地代家賃などを記入。)
4ページ目:貸借対照表(期首と期末時点=基本は1月1日と12月31日の資産や負債などを記入。)
★確定申告書B
1ページ目:第一表(事業収入や所得控除などを記入。)
2ページ目:第二表(所得から引かれる金額などを記入。)
2.簡易簿記
★青色申告決算書(一般用)
ただし、4ページ目の貸借対照表は作成する必要は有りません。
★確定申告書B
3.現金主義簡易簿記
★所得税の青色申告決算書(現金主義用)
★確定申告書B
まとめ
2017年に提出する、2016年度分の確定申告書からはマイナンバーを記載することになります。
個人事業主は12桁のマイナンバー(自分の個人番号を使う)を「確定申告書B」に記入します。
申告期限にも注意が必要です。
青色申告で65万円控除を受けるためには、期限内に、必ず確定申告する必要があります。
その年の確定申告期限に遅れると65万円控除を受ける事ができなくなりますので注意しましょう。
(10万円控除は、期限後申告でも受けることができます。)